【政経プラットフォーム】米国産ジャガイモ解禁で日本のジャガイモが全滅!?【深田萌絵×鈴木宣弘】(2026年8月配信)

農水省の戦い…アメリカから生のジャガイモは入れない!

広がるアメリカからの輸入と阻止しようとする農水省

深田「今日は東京大学特任教授 鈴木宣弘先生にお越しいただきました。先生、よろしくお願いします。
最近、ジャガイモ問題。
今まで日本って、生のジャガイモって輸入してこなかったみたいなんですけど、それをついにアメリカから輸入を解禁するという方向で、今自民党政権が動いているということなんですけど。
これってなんか、ジャガイモが日本に入ってくるって何か問題があるんですか?」

鈴木「そうなんですよ。アメリカの生のジャガイモにはですね、ジャガイモシストセンチュウっていう悪い虫(害虫)がいましてね。
それが日本に侵入して広がると、日本のジャガイモが全滅しかねないぐらいの恐ろしい虫だっていうことで」

深田「えっ、そんな恐ろしい虫がアメリカのジャガイモにあるんですか?」

鈴木「はい。それで以前ね、アイルランドのジャガイモが全滅をして、人々が飢餓に陥るというね、大きな事件も起きてますので。(※注1 参照)
日本もそういうことにならないように、なんとか生のジャガイモだけは入れてはいけない
これはもうね、日本人の命を守るためにも止めなきゃいけないっていうのがね。
これは長い歴史があって、農水省はそのためにずっと闘ってきてた

※注1:アイルランドではジャガイモ疫病が大発生。ジャガイモを主食にしていたアイルランド人の多くが餓死し、20~25%もの人口が減ったと言われる。
ジャガイモの葉やいもを腐らせる病気で、もともとはアメリカ大陸起源の病原体。
19世紀前半にヨーロッパへ持ち込まれ、1840年代に北米とヨーロッパで大流行。

深田「あ、そうですよね。なんかあのジャガイモって、ポテトチップスとか見ると、プリングルスとかってポテトフレークとかね。
あとスーパーでも、なんかマッシュポテトの素みたいな粉のポテトみたいのはあったんですけど。生のポテトってだってそういえば見たことないですね」

鈴木「そうなんですよ。だからとにかく生でなければね、何とかOKにしようっていうことで。
こう段階的にですね、今まで自由化っていうかですね、認めてきたんですよね。
2006年にはポテトチップ用のそれこそ加工用に限定して、しかも輸入期間を2月~7月に限定して、輸入を認めるっていうのをやったんですよね。
ところがそれで終わらなくて。
2020年になってですね、それを通年輸入OKにして。
その時はポテトチップ加工用の生鮮ジャガイモですんでね。
だから、生鮮だけども、もう加工しちゃうってことなので。
そうすれば、虫の被害がないからということで、そういうものに限って通年輸入を認めるっていうねことをやって。
でも、生食用のね、生で食べるジャガイモを全面的に輸入するということは、絶対に何とか止めたいっていうことでね、必死で農水省は頑張ってきたんですけど。
それがついにこの2026年、今ですね。秒読み段階に入ったと」

深田「え、それって、生で入ってきたジャガイモをそのまま出荷して土に触れないようにしたら、ジャガイモの畑っていうのは守られるとかじゃないんですか?」

鈴木「そうなんですけど。でも、よくあるのが、ジャガイモを買って来て、でちょっとプランターに植えて芽を出そうとか」

深田「あ、増やそうとする人いますよね」

鈴木「そうすると、そこで虫が土にね、ついていたのがそこで広がってきて。
で、それがまた靴の裏についたりとかして。
で、どこかに一緒についていって。
で、どっかの畑でね、たどり着いて広がる。
そういうぐらいのことが起こりうるということなんですよね」

深田「でも確かにアイルランドだって、生食用のジャガイモを輸入して、植えて回ったってわけじゃないんですよね」

鈴木「そうですよ。だけど、どっかからその抜け穴というか、広がっていくっていうことが起こってますので。
だからとにかくもう阻止するしかないっていうのがね、これが鉄則だということで。
この日本のジャガイモを全滅させるわけにはいかないということで、農水省は必死に闘ってきたけど。
結局ね、ジャガイモもお前もか…っていう状態ですよね。
ついにジャガイモもやられてしまったと。
まだ完全に解禁されたわけじゃないんですけれども、これから手続きをすることになっていて。
もう解禁を前提にしてですね、この検査の仕方とか、アメリカ側がちゃんとリスク管理をしているかとか、そういうことを調べた上で評価しますって言ってるわけだから。
要はもうこれは認めることを前提にしたね、形式的な評価になるっていうことで。
これはもう明らかに認めるということがね、決まったと言っていいと思うんですよね」

深田「これって、ジャガイモをアメリカから輸入するっていうことは、結構価格も安いものがどんどん入って来るっていうことになるんじゃないでしょうか」

鈴木「そうですね。そういう面でもね、日本の国産のジャガイモ、北海道や色んな地域でたくさん作ってる。
それが安いものが入ってきて、それによって国産が売れなくなるっていうね。
まさにその点がまず大きな問題の一つですよね」

ジャガイモの輸出にこだわってきたアメリカ

日本のジャガイモが全滅し作れなくなる→アメリカから輸入するしかない状況に

鈴木「それとともに、もう作れなくなっちゃったら大変なことになりますので。
それで、まあ2つの面から大きな問題であるということで、今まで止めてきた。

ホントすごいのがね、植物防疫っていうのは病気とかを防ぐ防疫の担当課長さんは、何とか阻止したいということで、色々アメリカからの圧力で日本政府が動こうとした時に、担当課長として体を張って、絶対に許さんと言って戦ってきたんですよ、何代も何代も。

で、戦えばそこで何とか止められると言っても、自分は飛ばされちゃうわけですよ。
自分の昇進はね、そこで終わっちゃうわけですよ。ね。
それでもね、そこまでしてでも分かっている人たちは、これを入れてはいけないという強い意志で何とか踏ん張ってきた。

それがついにね、もうやられてしまったっていうね。
だから非常に歴史的にも大きなこの一歩になってしまったと。
しかも、日本にとっては非常に大きな危険があると。

だからアメリカからすれば、日本にその安いものを売っていくことで、日本の国産を置き換えていくというのと同時に、日本のジャガイモを一回全滅させてしまえばね、あとはもうアメリカの買うしかないじゃないかみたいなね。
ね。そういうことにもなりかねないので。
大変なある意味戦略になってんじゃないかなと思うんですよね」

深田「いやでも確かになんか意図的にね、そういうこう疫病とか害虫を日本に持ち込んで、日本のジャガイモ畑を全滅させられたら、こっちは大被害ですけど、向こうは利益しかないですもんね」

鈴木「そうですね。だからアメリカはずっとこだわってきたわけですよ。
私も農水省に長くいましたから、ホント辛かった」

拒否できないアメリカからの要求

山のようにリストアップされている要求事項


鈴木「全てがね、こういうパターンって言ったら変だけども。
アメリカからこういうことをやれという要求はね、その食品添加物を認めろとか、色んな安全基準を緩めろとか。肥料農薬なんかもそうですけどね。
そういうアメリカからの要求事項っていうのは、もう山のようにリストアップされてるんですよね。
あの年次改革要求書(アメリカ政府からの政策提言を日本国内の制度改革に反映させる枠組み)を毎年出してますから。
その山のようにあるリスト・要望事項に対して、日本が最終的にそれを拒否するというね、外交の選択肢は残念ながら無いじゃないかっていうことなんですよ」

深田「いやでもそれ、その年次要望書に上がってきたことが拒否できないっていうのは、これって政治言論界の右からも左からもそうなってるんじゃないの?っていうね。
その疑念の声がずーっと上がって、もう何十年も経ってますよね。
それなのに、この国はそれを変えることができないんですか」

鈴木「できない。我々農水省の現場にいて何ができるかというと、要は、山のようにある要望事項の中の今年はどれとどれを差し出すかみたいなね。
それを選ぶ順番を決めるのが、日本に与えられた唯一の外交戦略、選択肢と。
拒否する選択肢はありません
と。そもそもないんです。

だから、農水省はでも、何とか阻止したいと言って戦っていきますよね。
でもそれは、遅らせることができるだけで。
大きな圧力で、お前らええ加減にせえ!ということになってくると、最終的にはね、もう戦いきれなくなると。
このパターンですよ」

TPPを止めたい農水省…圧力をかけ歯向かう人を飛ばす政府

鈴木「だからあのTPPとかね。
この大きな自由貿易協定の交渉で、農水省は最初抵抗してね、「何とかして止めるんだ」という思いで農水省は頑張る。
でも最終的に政府はそれを認めざるを得ないと思ってるから。
農水省にも圧力をかけ続けて。で、農水省で歯向かう人を全部飛ばしていく
わけですよ。

だから、これと同じようなことはTPPの交渉の時もあって。
その国際部長とか要職についてる人で何とか止めたいってことで頑張った人は、どっかいなくなってしまったみたいなね」

深田「いや~でもホントに。あのウチの番組でね元官僚の方がゲストでいらっしゃって下さるんですけど。
やっぱり戦ってクビになられた方々がこちらにお座りに(笑)お座りになってきてるので。
やっぱりね、根本的にこの国の方針というかね。あと人事が間違ってるんですよね」

鈴木「そうですね。そこも…特にね、内閣が人事権を大きく握った改革があって」

深田「2014年のね、改革ありましたね」

鈴木「あれはまた大きかったですよね。
あれで幹部の人事が全部官邸に握られちゃったから。
そうすると、簡単に飛ばせますからね。
でも、それ以前から同じようなことはあったわけですよ。
だって、このジャガイモの歴史は長いから」

深田「ジャガイモの歴史そんなに長いんですか?」

鈴木
「長いですよ。だからその担当課長が飛ばされたっていうのも、2014年よりもっと前から起こってたわけです。でも、よく頑張ったんです、だから。
そんな前から言われててもね、必死で体を張って止めてきた人たちもいるっていうことはね、これはすごいことですよね。うん。

で、最後にね、もう抵抗しきれなくなるとどういうことが起こるかっていうとね。
TPPの時はもう農水省としてこれ以上抵抗できなくなったと。
残念だが私たちは諦めなきゃいけないと。
だが鈴木さん、君だけは戦ってくれと。
全ての情報、重要な分析データとかは鈴木さんには渡すから、俺たちはもう戦いを止めて、TPPを認める方向に舵を切ると。
しかし、まだね、認めたくないから、鈴木さんは最後まで我々の意志を継いで戦ってくれと。
そういう風なね、要請が来たりするわけですよ。
そうすると、私がそういうデータもいただいて、自分のデータとして出したりして、最後まで戦い続けると。
そうでなくても私は最後まで戦うつもりで頑張ってたからね。一緒ではあるが…」

深田「やっぱりサラリーマンとして戦うのは限界がありますよね」

鈴木「そう。組織の中でね。これだけ人事も握られててね。
途中まで必死で頑張った人はどこかいなくなっちゃうし。
最後にその時点で降りて、もう自分は降りるから悪いけど後は頼むと言って推進というか、それを認めてなんとか国内対策をやるような方向にこうシフトした方は、ほぼトップまで上り詰めてるわけですよ。
そうでない本当に抵抗した人は、途中で消されてしまうし。
で、まあ私はそういうふうな意志も継いで、最後まで戦う役割をね、ちょっと損な役回りですけども…」(笑)

危険!輸入ジャガイモに使われる農薬・グリホサートと防カビ剤

禁止されてる防カビ剤は使えない…「食品添加物」とし、残留基準値も20倍に緩和することを日本側から提案

鈴木
「それでですね、このジャガイモの問題についてね、色々と大変なことが起こったのをね若干補足させてもらうと。
2020年に今度その生のジャガイモのポテトチップ用だけど認めた時にですね、その時に、日本では禁止されている収穫後農薬、防カビ剤を運んでくる時にかけなきゃいけない
それで、わざわざ日本側から、「あのこれは、運んでくる時には食品添加物に変えときますから」って。
その残留基準値も20倍に緩和しておきますのでよろしく」みたいな話までしちゃったんですよ」

深田「なんですか。またグリホサート(すべての植物を枯らす薬剤の主成分)ですか?」

鈴木「そう。だから、うん、これはだから、グリホサートの後の運んでくる時のね

深田「さらに添加物ですか」

鈴木「そうそう」

深田「しかも、農薬は禁止だけど、これを食品添加物にカテゴリーを変えるからOKでーす。もっとかけてっていうこと…」

鈴木「っていうことに、わざわざ日本側から、その今回の殺菌剤はジフェノコナゾール(浸透性の殺菌剤)っていうらしいですけど。
あの、レモンのね、防カビ剤で問題になって、食品添加物に変えてあげてウルトラCで輸入を認めたと同じようなことをジャガイモでもね、わざわざ日本側から提案してやったというのがね。
これもセットでついてきてると」

深田「あのレモンの防カビ剤かなり危ないと思うんですよ」

鈴木「ええ、そうですね」

深田「私ね、あの最近無農薬レモンを1つだけ国産のね、買って。
あの、置いて忘れてたんですよ。
1週間経ったらもうね、もう真っ青のカビだらけです」

鈴木「ああ、危ないね。それが普通なんですよね」

深田「だってもうアメリカのレモンは、買って忘れてて。半年ぐらい経っても、もうピッカピカですよ」

鈴木「だからね、それいかに不自然かと。
だから、ホントね、皮剥いてもダメだっていうぐらい浸透してますから。
ですので本当にこのね、レモンとかの防カビ剤、収穫農薬大変なんですよね。
でもそれも、このジャガイモについてもね、わざわざ食品添加物にウルトラCの分類変更して認めて。
残留基準値まで20倍に薄めてあげた
というね。
そういうこともやってると」

アメリカの遺伝子組み換えジャガイモを安全と評価した日本

大量の防腐剤、防カビ剤、虫、遺伝子組み換え…表示する義務なし

鈴木
「もう一つあってね。遺伝子組み換えのジャガイモ(イネイト)を日本はアメリカが開発した2種類を安全だというふうに評価したもんだから、それも日本に入ってきてる可能性があるんですよ。

でもそれは外食とかで使うので。
そうするとですね、外食の場合は遺伝子組み換えであるかどうかを表示する義務もないわけですよ。
だから、アメリカのジャガイモが増えるっていうことは、遺伝子組み換えのジャガイモを勝手にね、我々もどんどん食べてる」

深田「知らない間に食べていると」

鈴木「うん。これからも増えるっていうね。そういう可能性さえあるっていうことですよ。
なので、これも含めますと、今回のジャガイモの件は、非常にいくつもの問題を抱えてると。
それをついにやってしまったということで。
これから日本の皆さんはよく気を付けて、自分たちでしっかり国産の地元のものを選ぶということをやらないと、大変なことになるよというのが今の現状ですよね」

深田「そうですよね。そもそもポテトチップス用のポテトフレーク。
あれで作られたポテトチップスのなんかジャガイモの成分がほとんどないみたいな(笑)
そういうことも発表されてますよね。某メーカーの。
なんで、ああいうジャガイモ製品。
やっぱり日本のポテトチップスは、ジャガイモをこう切って揚げてるけれども。
アメリカとか欧米系のポテトチップスって、ポテトフレークって書いてあるけど、そのポテトフレーク多少はジャガイモ入ってるけれども、ほとんどなんか化学物質の塊っていう、ちょっと恐ろしいものじゃないですか。
それにさらに生ジャガイモにもう大量の防腐剤、防カビ剤に、虫も付いてくるって、結構これ怖い時代ですよね」

鈴木「そうだね。しかも遺伝子組み換えだとかね」

深田「ねえ、遺伝子組み換えで」

このままでは国民の命は守れない!

深田
「やっぱでもね、最近私農業をやろうと思って色々調べてるんですけど。
農家さんの問題ね。
田舎に行けば行くほど、実は境界線がよく分からなくって。
もうやーめたみたいな人の土地もその隣の人がもう越境して勝手に使ってるけど、その持ち主もまあいいやって思ってるから別に気にしないっていうね。
非常に日本的なこの感覚を見てると、越境してやってくる虫やその外国のジャガイモが越境してやってくるっていうのは普通にあり得る事ですもんね。」

鈴木「そうなんですよ。だから本当にね、大変な事態が進む」

深田「これ水際で止めてきたものがもう止められない」

鈴木「止められない。もうついに「ジャガイモよ、お前もか」ということに、最終段階にきたということですので。
だから、ホントにね、歴代頑張って止めてきた左遷された人たちのね、そういう人たちの必死の抵抗があったからここまではね、来れたということだけど。

でも、結局ね、最終的には認めさせられるっていうね、この日本の屈辱ですよね。
これを何とかやっぱしないと、こんなことを繰り返してたんじゃ、ね。
結局、国民の命は守れない
っていうことね。
ここをやっぱりジャガイモのこの問題でね、しっかりと認識して。
我々はどうやって自分たちを守っていくのかね、やっぱりもう一度しっかりと考えないといけないですね」

深田「先生ね、私たち安全な国産のジャガイモを選ぼうとしたら、それってどうやって選んでいったらいいんでしょうか?」

鈴木「はい。スーパーではね、外国産と国産は大体わかるように表示されていますよね。
あの、安いからと言って外国産に飛びつかないように。
何とか国産を選ぶようにみんなが心がければね、いいんじゃないかと。
それから、外食の場合は分かりませんけれども、外食チェーン店とかいろんなレストランでもきちんと国産のものを使ってますという形で表示してくれているお店もありますから。
そういうふうな良心的な外食のお店を活用するということで、少しでも国産のものを支えて、リスクのある輸入品に手を出さない。
消費者が選ばないということがね、それが最大の防御ですからね。
決めるのは消費者だとね、いうことで。頑張りましょう」

コメント

タイトルとURLをコピーしました