食料・農業・農村基本法の大問題
「輸入を安定的に確保すること」が日本の食糧安全保障になっている
神谷
「通常国会が終わったんですけれども、90本ほど法案、条約が通りましてですね。参政党15本ぐらい反対したんですが。
まあ、そのうちの一つで名前をよく間違えるんですけれども、食料・農業・農村基本法というのがありまして、農業の基本法と私よく言うんですけど、これがまあ通りましてですね。
やっぱり、一見良いことのように思えるんだけど、中身を見ていくと色々問題があるという風なことで。
まあ、野党の方からもたくさん反対が出たんですけども。
まあ、強引に与党側で通しちゃったんですが、これについて室伏さんちょっと論評もされていたので、ちょっとお考えを今日聞いていきたいなと思います」
室伏
「はい、分かりました。
あの一応ね、食料安全保障っていうことを前面に打ち出して、「食料安全保障の確保」それを確実にするために今回法律を改正しましたということになっていて。
大手メディアはみんな同じような報道をしてるんですね。
で、確かにそういう言葉も改正法の中に入ったことは入ったんですけど。
じゃあ、どうやってその食料安全保障を確保するんですかっていうところが、これが大問題。
じゃあ、どうやってやるんでしょうかって言ったら、まあ備蓄をしましょうとかはいいんですけど、安定的に輸入を確保しましょう。
はあ?と。
いや、食料安全保障ってことは、物が入ってこなくなっちゃう、物流が途切れる。
だから、国内でちゃんと食料を確保できるようにしましょうっていうことですよねっていう話なのに、なぜか輸入も入ってしまってると。
で、しかもですよ。
どうもね考え方が、別にここから途絶えたとしても、友好国とか同志国は我々に食料を譲ってくれるだろうという風な。
あなた方は何を根拠に言っているんですかというふうな話でもって書かれているっていうのがまず大問題のひとつですね。」
農家に命令し、農家を守らない日本政府…
農家が輸出によって儲かるようにする「植民地農業」が日本政府の方針
室伏
「で、しかもですよ。もう一つ別の法律と一緒にセットになってありましたよね。
あれもちょっと法律名が長いのでちょっと法律名は言いませんけども、あの考え方もですよ。
食料はまあこれが足りなくなりましたと。
例えば米が足りないとか大豆が足りないとか…まあ、米はないでしょうけど、まあ小麦が足りないって言った時に、農家に「よし じゃあお前ら作れ!」っていう仕組みになってるんですよ。
いや、ちょっと待ってください。工場じゃないんだし、ちゃんと例えば小麦なら小麦、大豆なら大豆が育てられるような畑をちゃんと確保して耕して準備万端整えて作ってなかったら作れるわけないでしょう。
で、しかもじゃあ種籾どこから持ってくるんですか?って言ったら、海外から持ってくるのがほとんどなんですよ。
じゃあ、その種籾とか大豆が入ってこなくなったらどうするんですかって言ったら、そこ何にも考えてないんですね。
そもそも工場でさえも増産しろって言ったって、いや今のうちのラインだけだと足りないから、ちょっともう1回急ピッチで新しいラインを2つ作りますから3か月待ってください、4か月待ってくださいになるじゃないですか。
でも、そういう発想ないんです。
「作れ!」
「いやちょっと今こうなんで」
「作らないんだったら、お前名前を公表するぞ」っていう(笑)
何かね、駄々っ子がね、今すぐこのおもちゃ欲しいって言ってね、買ってくれなかったらワーってやるような中身でしかないっていうのがまず第1の問題なんですけど。
じゃあね、その国内でちゃんと生産できるような体制を作りましょうってことは、まあ農家さんが安心してね、農業ができるような状況を作らなきゃいけないじゃないですか?
まあそれを持続可能な農業という風に言ってるんですけど。
じゃあ、この法律の中でどうやってその持続可能性を担保しようとしてるか。
もうご存知ですよね?(笑)
輸出によってね(笑)儲かるようにしましょうって…(笑)
いや、もうね。これ、実は以前から自民党の農業が分かっていることになってる国会議員の中にもそういう話を平気でしてたんですよ。
いや、食料ね。米がこれだけ評価されているんだと。
このイチゴが…このリンゴが…っていうんですけど。
それは相手国の食の好みだとかそういったものに左右されるし。
でも一番左右されるのは物流もありますけど、その国の景気が後退しちゃったら、そんなね、わざわざ高いイチゴを買うとか、高いリンゴを買わないわけですよ。
別に僕、イチゴも好きですし、リンゴも好きでね。
別にリンゴ農家さんとかイチゴ農家さんを別に僕は卑下しようとしてるわけじゃないんですけど、正直イチゴを食べなくても、リンゴを食べなくても、生きていけるわけじゃないですか。
で、本当だったらそういう高いイチゴを日本人が普通にね、毎週1回家族で楽しむとか、これが当たり前の状況だし、こう作んなきゃいけないわけじゃないですか。
ところがですよ。海外のお金持ちさん買ってくださいと。
それによってお金が入るから、農業が安心します。安定的にできます。
で、さらに言ってるのは、だったら売れる作物だったら、もう米とか麦とかいらないから、イチゴ作れ!リンゴ作れ!という方向に持って行こうとしてますね。
で、こういう農業を何て言うかって言うと、「植民地農業」っていう。
だって、自国民が食べるのものを作らないで、他国民・宗主国の方が食べるものを作って、自国民はなんか残ってるものとか食っとけ。
もしくは安い健康に不安があるようなよく分からない食べ物を輸入してきて「お前らこんなものだけ食っとけ」っていう風なことになるわけじゃないですか。」
日本の安全保障・国防のため、自国内での自給力強化が重要
大東亜戦争時の戦死の大きな理由は餓死
室伏
「そもそも農業っていうのは、自然相手のね、商売というか産業ですから。
かなりこう出来もそうだし、収入も不安定になるわけですよね。
これを持続可能な農業にするためには何が必要かって言ったら、国がしっかり補助金を出すことなんですよね。
で、これアメリカも補助金のやり方がね。
要は価格差をね、要はその価格支持って形で買い取って高い値段で買い取ってあげるとかね、そういうやり方をしたりとか。
フランスみたいに作物に応じて色々な補助金のメニューを作って、それで補助金を出すとか。
スイスみたいに、所得に占める割合が100%を超えているとかね。
みんなそうやって、自国民が食うに困らないようにしましょうと。
だって、いくらどんな兵器を持ったって、戦になって食べ物が無かったら、これもうおしまいですよ」
神谷「兵糧攻めですもんね」
室伏「そう。で、そもそも大東亜戦争の時の戦死の理由として大きなものは、まあもちろん病気もあるんですが、餓死なんですね」
神谷「そうですね。餓死と疫病がほとんどですね。戦いじゃないんですよね」
室伏「そう。そうなんですよ。まあもちろん、無謀な作戦云々もあるかもしれないんですけど、やっぱり食料のことを軽んじてはいなかったし。
丸本彰造さんが昭和18年(著書)『食糧戦争』というので、いかに日本の安全保障・国防のためには、自国内での自給力を強化していくことが重要かってことを説いて。
この方は陸軍少将ですね。そういうことをおっしゃっているんです。
だからGHQは、とにかくこんなものはね、日本人に読ませてたまるかって言って燃やしちゃった(焚書・没収された)という本なんだそうですけど。
まあ、ちょっと残っているので、読むことは多分可能なんですけども。
そういうものなんですよね。
だから、本当に食料安全保障を考えるんだったら、まさにね、その『食糧戦争』という本に書いてある通りのことをやればいいわけなんですけど、それをやる気は全くないと。」
農家は自分で稼いで何とかしろ!国は何もしません!
日本政府には自国で自給率を上げる発想なし
室伏
「じゃあ、農村に関してもね、持続可能にしていきましょうという風なことを考えた時に、じゃあその法案の中に何が書いてあるかというとですね…読みました?
それはちょっと非常に重要なので言っときますけど、要は“自分で稼いで何とかしろ”と。(笑)
農泊をやったりとか、6次産業化やったりとかして、てめえで稼いでなんとかしろって」
神谷「工夫しろでしょ?自助努力ね」
室伏「そうそうそうそう。ってことは要するに、国が補助金を点けたりとか、あと要するに、農村の中のインフラの整備とかそういうのに関しても「自分たちでやってくださいね」「自分たちで稼いで何とかしてくださいね」「国は何もしません」ってことを宣言してるわけですよね」
神谷「だから話をしてると、そういうことをすると、要は農家が頑張らなくなる、甘えちゃうみたいな、そういうまだ発想なんですよ」
室伏
「そうですね。いや、農家はものすごく頑張っているし。もう頑張り切れないぐらい頑張っていても全然生活が立ち行かないから、だから廃業したりとか、耕作放棄地が増えてるし。
息子に継がせたいと思ったけども、やっぱこの状況じゃ無理だよねというので、継がせられないと言って廃業していくと。
そうやって日本の自給力って、どんどんどんどん落ちていってますね。
あの、鈴木宣弘先生の話でも、種子の話とか、それから肥料の話がありますが、それを海外に頼ってることを考えると、日本の食糧自給率って1桁パーセントしかない。
これがね、実態なんですけど。
これを解決するような中身になっているかというと、今申し上げた通り全くなってないどころか…」
神谷「そもそも自国で生産して自給率を上げようという発想が入ってないんです」
室伏「全くないです」
神谷「おっしゃったように、「輸入を確保しよう」「農家は輸出で儲けよう」。
いやいやいやいや…と。それ自分たちで作れないじゃん」
室伏「で、しかも、自分たちが生産する基盤となるような農村のいわゆる環境整備に関しては、ご自分でどうぞという風になっているんです。
これもう、食料安全保障どころかね、あの農家切り捨て法としか言いようがないですよね」
売国法案を通した自民党に感謝する農業委員会代表
価格を形成できるのは政府だけなのに…
神谷「はい。で、皮肉なことにですね、この法案が通って私反対したんですけど。
通った日に全国農業委員会の会長会議みたいなのがあってですね。
で、自民党先生がたくさんいて。
「いや、今日みなさんのために法案を通しましたから」って(笑)言って宣言されてたから、僕からするとちょっとコメディーだなこれと思って。
「今日政府に法案を通してもらった」とかってその会の代表の方がおっしゃってるから。
いやいやそんなありがたがるような法案じゃないけどと思って」
室伏「皆さんのためにって、皆さんを滅ぼすためにですかって思っちゃいますし。
おそらく、その会議に参加している農家の方々も法案読めてないか、もしくはね、都合がいい、本当に都合がいい何かそういう資料を渡されて、それだけで理解してるという、僕はそういう頭なんじゃないかと思いますね。
だからほんとこの動画ね、まあ他でもこの話してますけども、ぜひね、周りの農家さんとかに、まあ法律通っちゃいましたけど、だけどこれおかしいぞって声をあげてね、もう1回ひっくり返すことは不可能じゃないですから。
で、例えばそれに対して反対するような決議をね、市町村会議とか都道府県議会で作るとかね。そういうことはアクション出来ますからね。
ぜひちょっとそういう風に繋げていっていただかないと、本当に日本の自給率って…自給力、食料供給力って、どんどんどんどん落ちていくもう一方にしかならないと思いますよね。」
神谷「例えば、お米とかの価格を上げていかないといけないんですよ、絶対に。安すぎるので。はい。
だからそれはもう日本人デフレでね、あれだからあれだけど。
さっきの高級なイチゴの話がありましたけど、でもやっぱりベースなのは米とかですし。
まあ、米は自給100%はできてますけど、大豆なんかは25%ぐらいしかできてないんで。
だから、大豆生産なんかもっともっと税金入れていいと思うんですよ、補助入れて。
室伏「いや、もっと入れた方がいいと思いますね。
米に関しても、その農家さんに入る手取りが高くなるようにするために、その販売価格をあんまり今いきなり高くすると国民が買えなくなりますから。
その差額を要は政府が価格指示っていう形で農家さんに払ってあげて、農家さんの所得は上がります。
でも、売る時には国民がその時の経済状況に応じてですけども、まあ買いやすい価格にするっていうね。
まあ、そのような価格形成をしていくというふうなことは、政府しかできないんですけど。」
神谷「そうですね。だから、結局米の価格を上げる。それが市場で上がらなければ、そういった補助金を付けて。まあ、これだから税金だから、国民が負担することになるんですよね。
で、なんで農家にそこまで手厚くするの?って、「いや、農家がいなくなると我々食べるものがなくなっちゃうから。だから作ってもらってありがとうって気持ちで補助してます」。
それでもうストーリー出来上がると思うんですけど」
室伏「いや、おっしゃる通りで。そういう理解で、ちょっと高くても自分の村のものを買うとか。
まあ、イタリアでね、これイタリアの話なんですけど、バーで飲んでいるワインはイタリアのワインで。で、スペインから大量に入ってくるワインよりはちょっと高いんだけども、なんで高い方を飲んでいるの?って聞いたら、その地域のイタリア人たちが「確かにスペインのものは安いかもしれないけど、俺たちはこの村のワインが好きだし、村を守りたいからこれを飲んでいるんだ」っていう事を言ってて。
だからね、そういう意識もやっぱり醸成しなきゃいけないし。
まあさっきね、税金とおっしゃいましたけれども、これただの国の財政支出で、税は予算の前提になってませんから、別にこれいくらでもこう出せるし。
それがだから、国民のためになるんだったらいいっていうことなんですよね。」
神谷「はい。そういうことなんですよ。
だから、そういう発想がもう全く今の新しい法案に入ってないので。
まあここはね、立憲民主党も共産党も強く反対していましたね。
まあ、ここのところ本当に…しかも四半世紀ぶりにやっと改正されたので、チャンスだったのに。
で、自給率っていうか、食料安全保障をということで、私も期待していたんですよ、そういう法案が出てくると思って。
でも、中身見たら、なんじゃこりゃだから。
で、今おっしゃられたように、ちょっと反省したのは、もっともっと地方から、地方議員もいるので我々、声を上げるべきだったなというところは、ちょっと指摘が弱すぎたなと思って今反省してます」
室伏「いや、でもね。これからでも全然遅くないと思いますけどね。
是非本当に勉強会とかやって、地方議員の方々の意識を高めていただいて、ぜひ色んなところでね、もう1回元に戻せっていうか、いい方向にもう一回改正しろという声をあげていただきたいなと思いますね」
神谷「本当に農業の基本になるような法律ですので、もう少しですね、党の方でも研究して声を上げていきたいなという風に思いました。
ありがとうございました。」

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